道具はあまりないけど、とりあえずキャンプには行ってみたい。道具は、しばらくの間、家で使っているものを流用して。クッカーはなくても普通の鍋でよい。イスはなくてもピクニック気分でブルーシートがあればそれでよい。シュラフはないけど、普通の毛布でいいや。
こういう発想は大切だ。流用できるものは流用してとりあえずのコストを抑えて、とにかく1回でも多くキャンプに行くこと。これが重要。その課程で必要なものが見つかれば、予算に応じて買い足していけばいいのだ。
事実、キャンプ用のストーブ(コンロ)は結構高い。安いものでも4000円、高いツーバーナーだと、2万円近くするものさえある。しかし、家庭で鍋物なんかに使うカセットコンロなら、たいていの家にあるはず。新しく買っても安いものだと2000円前後だし、カセットガスのカートリッジも3本で200〜300円という超格安。これで代用できないかというのは素直な疑問だ。
結論から言うと、もちろん、カセットコンロだって屋外で使える。使えるのであれば、キャンプ用のストーブを買わなければならないということもないし、見栄を張る必要もない。でも、夏以外のシーズンでもキャンプをする予定があるなら、最低1個はキャンプ用のストーブが必要だと思う。
実際、今では野営仙人を自負する私でも、昔はカセットコンロを使っていたし、知り合いのベテランキャンパーのなかでもそのような人はとても多いが、今でもカセットコンロを使っている人はまずいない。例外的に、キャンピングカーのキッチンで使う人を除けば。
では、どこが違うのだろうか。カセットコンロとキャンプ用ストーブの最大の違いは、最初から屋外で使うことを想定して設計されているか、それとも屋外で使う可能性はあるが、屋内でもっとも使い勝手がよいように設計されているかだ。屋内で使うカセットコンロは、生活するのに快適な室温で、テーブルの上で土鍋や天ぷら鍋など大きな鍋を大人数で囲んで使うために作られている。当然屋外のように風が吹くこともない。私が思うに、もっとも大きな違いは対風性能だ。
試しにカセットコンロを屋外に持ち出して使ってみると、ほとんど無風だと感じる程度の微風でも簡単に炎が飛んでしまい、風に対して最新の注意を必要とする。(しかし、言い換えればある程度の気温さえあれば、風よけの工夫さえあればかなり普通に使えるという意味でもある)
キャンプ用のストーブは、とにかく風に強い。火口に風防が付いているか、狭い半径の火口に一点集中型で非常に強い炎をだして熱が逃げにくいなどの工夫がされており、かなりの風が吹いていても何ら問題なく使える。
次にカセットコンロと違うのは、周囲の気温。プロパンガスを例外とすると、普通、ガス燃料は低温に弱い。気温が10℃を下回る状態でカセットガスを使い続けると、気化熱でカートリッジがさらに冷え、あっという間に実用にならないほど火が弱くなってしまうが、キャンプ用のストーブは最初から低温に強い成分をブレンドしたガスカートリッジが用意されている。
もう一つ違うのは、折りたたんで小さくなるかならないかだろう。もっとも、オートキャンプの場合は少々荷物が増えたぐらいでは困らないかもしれないが。