七輪(七厘)の話
七輪で焼くとなぜかうまい。 今、昔ながらの七輪が見直されています。
私のようなお手軽キャンパーには七輪が欠かせません。七輪は本来キャンプ用品ではありませんが、私はキャンプ用品のかなり上位のアイテムとして七輪を勧めます。3〜4人の少人数でバーベキューをするには、バーベキューコンロは大きすぎます。七輪はこの人数にちょうど最適で、私はいつも七輪を使っています。
昔はどこの家庭にもあった七輪ですが、最近は家庭で見かけることがめっきり少なくなりました。
恐らく、地味、貧乏くさい、下町っぽい、煙たい。などのイメージがあり、現在のライフスタイルには合わなくなってしまったのかも知れません。
一方、アウトドアでは七輪を愛用する人が急増しはじめています。 数年前までのオートキャンプブームの頃は、大型のバーベキューコンロが流行りましたが、燃費が悪い。荷物になる。使わないときでもじゃまになる。片付けが大変などの理由で、再び七輪の人気が急上昇しつつあります。 キャンプ道具に七輪を加えてみるのは如何でしょうか。
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朝顔型(標準型)七輪 |
長四角型七輪 |
"厘"は、1/10銭、つまり1/1000円を表します。 名前の由来には諸説ありますが、七輪が、とても熱効率がよいので、その昔、たった7厘ほどの少ない炭で調理ができるという意味から付けられたという説が有力です。 最近では、七厘を七輪と書くことの方が多いようです。 関西では、かんてきとも呼ばれます。
しちりんは、現在は七輪と書かれることが多いのですが、正しくは七厘と書きます。元々の語源は、一回に使用する燃料の木炭が七厘ほどの金額で足りることからこの名称がつけられたといわれています。(つまり、最小限の炭で効率よく燃えるということ) 事実、一回のバーベキューであれば切り炭5−6個で最初に七輪をいっぱいにしておけば、途中で補給する必要はありません。
七輪は、開口部が広く底に行くほど狭くなる朝顔型の構造をしており、燃焼室の底は網になっており、小窓に通じています。物を燃やすとき、煙突を付けた方が圧倒的によく燃えますが、これは燃焼熱によって煙突の中で上昇気流が発生し、底から常に新鮮な酸素が供給されることによります。 七輪のこの独特の形状は、煙突とかまどの両方の機能を持ち、、一度燃え始めると人為的に空気を送ることなく燃え続けます。 よく、下の穴から一生懸命団扇で空気を送っている人がいますが、うまくすみに着火できれば本来団扇で扇ぐ必要はありません。
そして、バーベキューコンロは一度燃え始めると火力の調整ができませんが、七輪の場合、この小窓を開閉することで火力の調整が簡単にできます。
また、炭には周りの温度が高いほどよく燃え、そうでないとうまく燃えないという性質があります。直火や、バーベキューコンロのように広い面積で炭を燃やす場合はうまく燃えなかったり、かなりの量の燃え残りができたりしますが、七輪は朝顔型の内部構造により、燃えて炭の量が減った場合でも常に狭い範囲に炭が集められるので、燃え残ることもなく効率よく燃焼します。
七輪のこの構造によるメリットは更に続きます。伝統的な七輪は、珪藻土という植物プランクトンの化石からできた土で作ります。珪藻土は、気泡を非常に沢山含んだ土で(水に浮きます)発砲スチロールのように高い断熱性を持っています。 燃焼熱が外にほとんど漏れることなく、燃焼室は常に高温に保たれますので炭は効率よく燃え、熱効率も最高です。
最近の住宅建築では防火の為に、よく発泡コンクリートの外壁材を使いますが、珪藻土はこれに負けない断熱性・耐火性を持っています。
七輪には次のようなものがあります。
珪藻土製のもの(上の写真)
練り土七輪(練り物)
削りだし七輪(切り出し七輪)
ブリキ製の七輪
陶器製の七輪
三河七輪
外国(アジア諸国)の七輪
昔ながらの七輪は珪藻土製のものです。 練り土七輪は、珪藻土に水を加えて練って、焼き物を作るように整形して焼き固めたものです。 2000-3000円前後で売られている大半の七輪はこのタイプです。普通はこのタイプを選べば問題ありません。
削りだし七輪は、地下から切り出した珪藻土のブロックをそのまま削って整形、焼き固めたものです。練り土七輪よりは、密度が小さく、気泡を多く含むので、やや軽く、断熱性は最高ですが、8000-15000円前後とかなり高価です。
珪藻土製の七輪は、七輪独特の風情と、燃焼中でも外側を触れるほど高い断熱性がありますが、所詮土の塊なので、落とすと簡単に割れてしまい、水をかけるとすぐぼろぼろになってしまいます。そして、とても重いものです。 水をかけられないと言うことは、どんなに汚れても洗うことができないということです。 土製の七輪は使い込んでいくと必ず真っ黒になりますが、ここは躊躇せず、歴戦の勲章だと思って諦めましょう。
また、土製の七輪は燃焼中に内壁全体が赤熱して多量の遠赤外線を放出するので、燃焼中の炭が出す遠赤外線を増強する働きがあります。 熱量の内、炎による直接的な熱が小さく、遠赤外線の割合が多いほど、"焼き物"系の料理はおいしく、美しく焼くことができます。
この為、最近では右のようなブリキ製の七輪が出回るようになってきました。
よく見かけるのは"THE SHICHIRIN"という商品名のメーカー不明のもので、大きなホームセンターに行けばたいてい置いてあります。大きさは2種類あるようですが、2000-3000前後で売られています。
メーカーにより構造は異なるかもしれませんが、概ね、ブリキの筒が二重構造になっていて、その間の空気の層で断熱を行っているようです。燃焼筒は、ガラスウールか、発砲セラミックスで作られています。珪藻土の七輪と比べると、とても軽く、水洗いできるので、とてもお手軽ですが、断熱性が全然よくありません。 うかつに机の上で使うと、机が焦げてしまいます。
私も以前はこのタイプを使っていましたが、何となく風情がないので、土製の七輪に戻りました。 でも、最初に七輪を買うのならブリキ製のものがお手軽でよいのではないかと思います。
土製の七輪は水洗いできないので、汚れてしまうことは本来仕方ありません。またブリキの七輪は水洗いできるのですがそれも面倒な人にはこんな方法があります。土製・ブリキ製のどちらでも構いませんが、右の赤い部分にアルミホイルを被せます。七輪で汚れる部分はここだけなので、使い終わったら捨てるだけ。
これは簡単!