アウトドアショップでは実に様々な燃焼器具(コンロ・ストーブ/ランタン)が売られています。 灯油やロウソクを使う物もありますが、最も一般的なのはガスとガソリンでしょう。
ガスの種類と特性
ガスタイプの燃料を総称してLPG(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)と呼びますが、実際にはブタンガス(ノルマルブタンガス)、イソブタンガス、プロパンガスの3種類があります。それぞれのガスによって沸点、蒸気圧が異なるので用途が違います。
ブタンガス(ノルマルブタンガス)
沸点はマイナス0.5℃で3種類のLPG中最も高く、氷点下での着火は不可能です。蒸気圧は1.8kg/cu+25℃と3種類のLPG中最も低く気化しにくいため火力が低下しやすいガスです。沸点:−0.5℃ 蒸気圧:1.8kg/cu
イソブタンガス
沸点はマイナス11.7℃でノルマルブタンより低く、マイナス10℃でも着火が可能です。蒸気圧は2.6kg/cu+25℃でノルマルブタンより高いため安定した高出力で燃焼続けることができます。沸点:−11.7℃ 蒸気庄:2.6kg/cu
プロパンガス
都市ガスのない地域の住宅で使用されているプロパンガスと同じ物です。沸点はマイナス42.1℃で3種類のLPG中で最も低く、マイナス40℃でも着火が可能です。蒸気圧は8.5kg/cu+25℃で3種頬のLPG中最も高いため安定した高出力で燃焼続けることができますが、プロパンガス100%の場合非常に頑丈なボンベが必要になるので、アウトドア用品には使えません。このため、アウトドア用のカートリッジではイソブタンガスに混ぜて使われますが、混入率には限界があります。沸点:−42.1℃ 蒸気圧:8.5kg/cu
※沸点:液化ガスが気化する温度 ※蒸気圧:圧力が高い程、気化しやすい
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ガスの種類 |
沸点(℃) |
蒸気圧 kg/cm2(25℃) |
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ブタン(ノルマルブタン)ガス |
-0.5 |
1.8 |
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イソブタンガス |
-11.7 |
2.6 |
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プロパンガス |
-42.1 |
8.5 |
気化熱により外気温より5〜10℃下がるので、実用温度は沸点よりも5〜10℃上になります。
燃焼器具でメンテナンス、使い方が簡単なのはなんといってもガス式です。春〜中秋の間でしか使わないお手軽キャンパーはどれでも構いませんが、冬季キャンプで使用する場合火力が落ちて使い物にならない場合もあるので注意が必要です。ガスの配合によって想定する温度帯が異なります。
一般的なもの: ブタンガス100%、あるいは主成分としたものです。ガスの中では最も低価格ですが、ブタンガスの沸点が高いため10℃以下から火力が低下し始め、5℃以下では大幅に火力が落ちます。家庭用のカセットガスや、専用カートリッジでも春〜夏用はこのタイプです。
イソブタン・プロパンを主成分とするもの: ブタンガスより沸点が低いので0℃を切るような状況でも実用に耐えることができます。プレミアムガス、冬季用ガスとして売られているのはこのタイプです。
専用カートリッジ式
イワタニプリムス、キャンピングガス、コールマン、キャプテンスタッグなど、アウトドアショップで販売しているガスコンロのほとんどはこのタイプです。基本的にはメーカー毎に互換性がなくガスカートリッジが高価ですが、同じ形状のカートリッジでも夏用〜冬季用まで豊富なラインナップが揃っています。但し、カートリッジの単価が高いのが難点で、カセットコンロ用ガスの数倍の値段です。このタイプのカートリッジは各メーカーがそれぞれ独自の規格で作っているので、基本的には互換性がありません。(イワタニプリムスとEPIは自己責任に可)
家庭用カセットコンロ用ボンベを使用したもの
ユニフレームやイワタニ産業のコンロではどこのスーパーでも売っている家庭用のカセットボンベが使えます。
なんと言っても、どこでも入手可能で、低価格(250g×3本入りで300-400円)ととても安価です。お手軽キャンパーには最もお勧めです。但し、ほぼノルマルブタンガス100%なので、冬季はまったく使い物になりません。
そんな場合は、イソブタンガスを主成分としたカセットガス(ユニフレームのプレミアガスなど)も売られており、これを使えば-5℃でも使えます。でも、本格的な雪山登山をする人には向きません。
ガソリン式の燃焼器具には、ホワイトガソリンを使用するもの(ホワイトガソリン専用タイプ)、ホワイトガソリンと自動車用のレギュラーガソリンの両方が使えるもの(アンレデッドタイプ)があります。単純に手軽さだけを考えると、冬季のキャンプをやりたい人以外はあまり使用するメリットはありません。しかし、常にガソリンストーブ・ツーバーナーが揃えたいアウトドアグッズの上位にランキングされるにはそれなりのわけもあります。いかにもアウトドアと言えるガソリンバーナーの存在感なのでしょうか。
冬季(-40℃まで)にも安定した火力が得られる。
燃料が安い(専用ガスカートリッジ>ホワイトガソリン>カセットガス)
メンテナンスが必要で、しばしばジェネレーター(気化器)が詰まって交換が必要になったり、ポンプカップ(空気圧縮器のパッキング)を交換しなければなりません。
頻繁にポンピング(空気圧縮)をしなければ燃焼を続けられない。
ガスと比べるとやはり不便。
比較的高価である。
ガソリンだからと言って特別火力が強いわけでもない。
初心者やお手軽キャンパーには面倒なだけでしょう。
ホワイトガソリンタイプもアンレデッドタイプも燃料は必ずホワイトガソリンを使います。アンレデッドタイプはレギュラーガソリンも使えなくはありませんが、レギュラーガソリンで2−3回使うと、確実にジェネレーターが詰まってしまいますので、「いざというときはレギュラーガソリンでも使える」程度に考えておいてください。私は、最初からレギュラーガソリンだけを使うつもりでアンレデッドタイプを購入したのですが、すぐ詰まってしまい、考えが甘かったと悟りました。
ガソリンとガス、初めて買うならガスを勧めます。春〜秋のお手軽キャンプしかしないのならカセットガス(家庭用のカセットコンロで使うのと同じタイプ)のものが手軽でコストも抑えられます。冬場のキャンプも考えているなら専用カートリッジを使ったものを購入しておけば冬用カートリッジ(プロパンやイソブタンの含有量が多いもの)を使用することでそのまま使用できます。本格的な冬登山をやりたい人や、ガスでは手軽すぎてつまらないという人にはガソリンをお勧めします。あえてアンレデッドタイプを購入する必要はありません。一般的な使い方では値段が高いだけです。